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2004年 5月 23日リリース
江崎グリコが「酵素処理ヘスペリジンの冷え症改善効果」を
第58回 日本栄養・食糧学会で発表

 

 江崎グリコ中央研究所は、柑橘類に多く含まれるヘスペリジンに糖を付加して水溶性を高めたヘスペリジン配糖体(酵素処理ヘスペリジン)が、冷え症を改善する効果を発揮することを確認し、2004年5月21日から23日に仙台市で開かれた日本栄養・食糧学会で発表しました。
  冷え症は近年、女性を中心に増加傾向にあると言われていますが、明確な疫学的データはなく、また西洋医学的な疾病ではないために十分な研究、治療がされていません。ヘスペリジンは、いわゆるビタミンPとして毛細血管の柔軟性に関与していると言われていますので、その溶解性を改良した酵素処理ヘスペリジンを用いて血行を良くすることで、冷え性を改善しようと考えました。

酵素処理ヘスペリジンの冷え症改善効果
<学会発表者>
吉谷 佳代(よしたに かよ)江崎グリコ株式会社 中央研究所
<学会発表要旨>
女性の冷え症に対する酵素処理ヘスペリジンの効果
○ 吉谷 佳代 , 中村 弘康 , 宅見 央子 , 鏡 義昭 , 米谷 俊
【目的】
近年、女性を中心に冷え症を訴える人が増加しているが、冷え症は西洋医学的には疾病として扱われないため、十分な研究や治療がなされていないのが現状である。ヘスペリジンは、古くから末梢血管強化作用が知られているが、水への溶解性が低いため、十分には利用されていない。酵素処理ヘスペリジンは、ヘスペリジンにグルコースを付加し、溶解性を著しく向上させたものである。そこで本研究では、酵素処理ヘスペリジンの冷え症に対する効果を確認し、新しい冷え症改善素材としての可能性について検討した。
【方法】
被験者は、20〜30代の冷えを自覚する健常者女性を募集し、さらにその中から冷え症診断基準※1に基づいて冷え症であると診断された10名(平均年齢28.6±3.4歳)とした。試験飲料は、37℃に調整した酵素処理ヘスペリジン3.6gを含む水100mlとし、コントロールとして同温度の水100mlのみを摂取した。食後2時間以上あけて試験飲料を摂取し、30分間安静の後、左手に15℃1分間の冷却負荷をかけた。その後、左手指先の体表面温度、血流量、血管幅、血圧、脈拍を5分毎に40分間測定し、同時に試験前後の鼓膜温、腋窩温による体温測定も行った。
【結果】
冷却負荷直後、体表面温度および体温回復率は、酵素処理ヘスペリジン摂取時の方が有意に高くなった。血流量と血管幅においても、冷却負荷直後は急激に低下するが、その後酵素処理ヘスペリジン摂取時の方が有意に高くなった。血圧は、酵素処理ヘスペリジン摂取時の方が有意に低値を示した。脈拍,鼓膜温,腋窩温については、試験前後でほとんど変化はなく、両者間でも差は見られなかった。
【考察】
酵素処理ヘスペリジンの摂取により、冷却負荷後の末梢部の皮膚温回復の改善が認められた。また、血流量、血管幅の改善も確認出来たことから、酵素処理ヘスペリジンは末梢の血液循環を改善し、かつ血管を拡張させて皮膚温回復を改善させると考えられる。よって、酵素処理ヘスペリジンには冷え症を改善させる効果が期待でき、新しい冷え症改善素材として利用できる可能性が高いことが示唆された。
※1寺澤捷年:生薬学雑誌 , 41(2) , 85-96 , 1987
<結果補足>
江崎グリコでは、摂取量を減らした試験や継続摂取についても検討中で、有効量につきましては、冷え症女性11名に対し本試験摂取量の7分の1の500mgまで減らし同様の試験を行いました。3.6g単回摂取試験の結果ほど強い効果ではありませんが、コントロールに比べ有意に皮膚温回復の改善も認められ、効果が確認できました。
今後の検討事項としては、酵素処理ヘスペリジンによる冷え症改善効果の作用機序の解明に取り組む予定です。

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