■ 友チョコは女子中高生のたちのコミュニケーションツール |
今回の調査結果から、バレンタインデーにおける “ 友チョコ ” は中高生を中心とした女の子たちの友達関係に深く浸透していることが見てとれ、友達関係を支えるコミュニケーションツールとして機能していると考えられます。
友達関係を維持するためにはお互いに好意を伝達する必要がありますが、これは意外に難しいことです。友達同士で 「 好きだよ! 」 とか 「 友達だよ! 」 とか言い合うことはあまりないでしょうし、身近な存在であるほど恥ずかしい気持ちが強くなり、言葉では伝わり難い場合もあります。相手に好意を伝えるには、プレゼントを贈るなど言葉以外のもの (ノンバーバルコミュニケーション) で伝えた方が効果的で、友達にチョコをプレゼントすることで好意を持っていることを自然に伝えることができるわけです。
ただ、プレゼントもその仕方によっては不自然になる場合があります。何でもないときのプレゼントは喜ばれることもあれば、どんな意味があるのだろうと相手に負担を感じさせてしまうこともあり、逆効果になる可能性も無視できません。クリスマスや誕生日にプレゼントを贈ることが自然であるように、バレンタインという特別な日なら気軽にチョコをあげることができます。また、あげるチョコの値段が高すぎれば、経済的な負担が気持ちの負担につながりますが、友チョコの価格はあげたい・もらいたいともに300円程度。恋人への高価なチョコに比べ手頃な価格になっているのも納得です。
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■ 友チョコはただのお返しではなく好意のしるし |
ふだんの友達関係の中で、相手が自分に好意をもってくれているのかはなかなか分からないものです。自分に自信がない人は 「 私たち友達だよね 」 と確認するようなことを口にしがちです。このような行動は心理学では 「 安心探し行動 」 と呼ばれ、しつこく言うと相手から敬遠される場合も…。友チョコをもらうと 「 安心探し行動 」 をしなくても、友達は自分に好意をもってくれているなと確認することができます。また、友チョコにはホワイトデーのようなお返しルール (贈答された物には返礼をすべき) ではなく、そこに 「 好意 」 を乗せて贈り合うわけですから、単にお返しとしてチョコという物が返ってくるだけでなく、 「 好意 」 も返ってくるわけです。これを心理学では 「 好意の返報性 」 と呼んでいます。つまり、自分に好意をもってくれる相手に対しては、自分も好意を抱く可能性が高いということです。 |
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■ “ デコリ ” はアイデンティティの確立を狙った自己呈示 |
また、チョコにデコレーションなどのアレンジを施して渡すという文化も、これからますます普及するかも知れません。既成のものを渡すだけでは義理チョコのように儀礼的なものになってしまいますが、自らが “ かわいい ” と思うデコレーションを施したものは、自らのセンスや価値観を内包するものであり独自性を示すものです。たくさんの友達とチョコを交換しても、その1つ1つは個性的なものとなります。心理学では、自分自身が他者にどのように思われているか、望ましいイメージを他者に伝えようとする行動を “ 自己呈示 ” と呼び、その働きの1つが “ アイデンティティの確立 ” です。
つまり、自分がこういう人間だと相手に示すことで、自分自身のアイデンティティを確かなものにすることができるのです。自分独自のデコレーションを施したチョコを友達に渡すことは、アイデンティティの確立を狙った自己呈示ともいえます。 |
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■ 友チョコ × デコリ は、ケータイ世代が生み出した新しいコミュニケーション |
現代の中高生たちは物心がついた頃から携帯電話があり、ほとんどの中高生は携帯メールのやり取りも日常的です。少子化や携帯電話、メールの普及などによって、最近の若者は対面でのコミュニケーションが苦手だったり、人間関係が希薄なっていると言われることもあります。しかし、逆に言えば、さまざまな方法でコミュニケーションを行うことができる世代であるともいえます。友チョコやデコレーションするチョコも、 “ ケータイ世代 ” の中高生が人間関係を親密にするために、新たに編み出したコミュニケーションツールだともいえるのではないでしょうか。 |